Build Insiderオピニオン:花井志生(4)

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Mac の 良いところ、悪いところ

2017年7月19日

スタバでMacでドヤ顔ブームも一息ついた今、エンジニア目線であらためてMacの良いところ、悪いところを考えてみよう。

花井 志生
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 今回は(特にエンジニアにとって)、Mac(MacBook)のいところ、いところを挙げてみたい。もっとも筆者のMac歴は短いので(2012年ころから)、ここに挙げた欠点に実は解決策があったり、あるいは筆者が良いところと思っている点が、他の人には悪いと感じられる(もしくは、その逆)などということもあったりするかもしれない。また、筆者はMacの初期導入アプリをほとんど使用していないため、その辺りについても知見がない点はご容赦いただきたい。なお掲載した価格などの情報は執筆時点ものであるため、最新の情報を常に確認してほしい。

MacBook

 以下ではMacのさまざまな点について、エンジニアの観点から筆者が評価をしたものだ。「 良 」とあるのは「Macの良いところ」だと筆者が感じたところ、「 良  悪 」とあるのは「良いところもあれば、悪いところもある」と感じたところ、「 悪 」とあるのは「改善されるといいな」と感じたところだ。

ハードウェア

価格  良  悪 

 何となく「Macは価格が高い」という印象があるのではないだろうか*1。確かにWindowsのノートPCの場合、安いものは3万円くらいで手に入る。本稿を書きながら、価格.comで調べてみたら、HPのノートPCが3万円台中盤で売り出されていた(本稿の表記は全て税込価格)。この価格帯で手に入るローエンドモデルのMacBookは存在しないので、性能には目をつぶって、とにかく安く手に入れたい場合にはMacBookは選択肢に入らないだろう。

  • *1 編注:とはいえ、10万円をギリギリ切る価格でそれなりのスペックのPCを購入しようと思ったら、MacBookやMac miniが筆頭候補に挙がった時期もある。

 それではミドルモデル~ハイエンドモデルはどうだろうか? 同じく価格.comで、「i7(Kaby Lake世代)の2.3GHz以上、重量1.37kg以下、メモリ16GB」というミドルモデルの条件を指定して検索してみる。すると、ZenBook 3 UX390UA UX390UA-512GPというモデルが、15万4980円で表示された(表1)。

機種 ZenBook 3 UX390UA UX390UA-512GP
価格 154,980円
CPU i7(2.7GHz 2core)
メモリ 16GB
HDD 512GB(SSD)
ディスプレイ 12.5(1920×1080)
重量 0.91kg
表1 ミドルモデル(1)「ZenBook 3 UX390UA UX390UA-512GP」の価格表

 一方、Appleのサイトで、2017年6月に出たばかりのMacBook Pro(ZenBook 3とほぼ同じスペック*2)の価格を見てみる。

機種 MacBook Pro(13インチ)
価格 214,704円(税込)
CPU i7(2.5GHz 2core)
メモリ 16GB
HDD 256GB(SSD)
ディスプレイ 13.3(2560×1600)
重量 1.37kg
表2 ミドルモデル(2)「MacBook Pro(13インチ)」の価格表

 確かに、Macの方が高いようだ。しかもZenBook 3の方は、SSDが512GB搭載されているし(メモリ16GBを選択すると、512GBしか選択できなかった)、重量も1kgを切っていて優秀だ。このクラスのコストパフォーマンスではWindows機が圧倒的だ。

  • *2 MacBookにはもっと低価格のモデルも用意されているが、比較しやすいように、ZenBook 3に最も近いスペックのMacBook Proの内容をここでは表記している。

 次に、もう少し上のクラス、「4 coreで、クロック3GHz以上、重量2kg以下、メモリ16GB」のモデルを探してみる。このスペックとなると価格.comの検索では候補が挙がらなくなるので、MacBookの方だけ見てみよう。

機種 MacBook Pro(15インチ、Touch Bar付き)
価格 315,144円(税込)
CPU i7(3.1GHz 4core Turbo boost 4.1GHz)
メモリ 16GB
HDD 256GB(SSD)
ディスプレイ 15.4(2880×1800)
重量 1.83kg
表3 ハイエンドモデル「MacBook Pro(15インチ、Touch Bar付き)」の価格表

 価格がローエンドPCの10倍近くになっているが、仕事の道具としての生産性向上で得られる人件費の削減を考えれば、この価格でも十分にお釣りの来る人も多いだろう(あるいは、それを理由にこじつけて買ってしまう人も多いだろう)。ただし、CPUのパフォーマンスを我慢すれば、Windows側にももう少し選択の幅が出てくる。例えばCPUクロックの条件を2.8GHz以上にすれば、マウスコンピューターのNEXTGEAR-NOTE i4400GA1というモデルが見つかる

機種 NEXTGEAR-NOTE i4400GA1
価格 161,784円(税込)
CPU i7 2.8GHz
メモリ 16GB
HDD 256GB(SSD)+HDD 1TB
ディスプレイ 14(1920×1080)
重量 2kg
表4 NEXTGEAR-NOTE i4400GA1の価格表

 ただし、このSSDは、PCIe接続ではなくSATA接続であるし、公称の駆動時間も5.2時間と短めなので、その辺りに妥協が必要ではある。

 ここまで、スペックレベル・価格帯別に見てみると、以下のような傾向があることが分かる。

  • ローエンド(省スペースデスクトップとして、持ち歩かずに居間などに置くなど): MacBookは対象外
  • ミドル(モバイルPCとして常用): Windows機の方が、コストパフォーマンスが高い傾向にある
  • ハイエンド(モバイルPCだが、携帯性と共にCPUパフォーマンスも重要): MacBook以外の選択肢がほとんどない。CPUのパフォーマンスに目をつぶればある程度選択肢が生まれる

 安価にPCを購入しようという場合には、Macは選択肢には挙がらないだろうが、軽量/ハイスペックなマシンを手に入れたいのであればMacは良い選択肢といえる。さらにいえば、ハードウェア/ソフトウェアを含めたトータルパッケージとして考えたときのコストパフォーマンスという面でMacは満足度が高いと感じる人もいるだろう。

UIまわり

 次にハードウェアの使い勝手(UI)を見てみよう。

Retinaディスプレイ  良 

 筆者は老眼なので、Retinaのような高解像度ディスプレイは無用の長物だと思っていた。その後、2014年にRetinaモデルを買って、その考えは大間違いだということが分かった。むしろ視力が低下している人こそ高解像度モニターを使った方がよさそうだ。先日、Retinaモデルを修理に出した際に、非Retinaモデルを使ったが文字の読みやすさが全然違う。Retinaモデル以降もディスプレイは地道に改良されており、最新のモデルでは発色が明らかに違うことが実感できる。

タッチパッド  良 

 筆者は、MacBook以前はずっとThinkPadを使っていたため、ポインティングデバイスにはトラックポイントを愛用していた(とはいえトラックポイントも長時間の使用は厳しいのでマウスを持ち歩いていたが)。そんなこともあり、MacBookを初めて購入したときには、タッチパッドに慣れることができるのか半信半疑だった。が、そんな心配は無用だった。すぐに慣れてマウスの携帯までやめてしまったのには、自分自身でも驚いた。

 それならばとWindows PCでもパッドに慣れようと使ってみたが、UIとしては大して違わないものの全く慣れることができなかった。やはり細かなところの造り込みが違うように思う。指の動きに吸い付くような挙動や、タイピング中には絶妙に誤動作しないようにタッチが無効になる点であるとか、人差し指でクリックしたまま、中指でドラッグできたりなど、細かすぎてカタログに書けないような部分がよく練り込まれている。

オーディオまわりがチューニングされている  良 

 マイクとスピーカーがチューニングされているため、Skypeやハングアウトなどが快適に使える。2012年のUnibodyモデルのスピーカーは音楽を聴くには力不足な感じだったが、2014年モデルでは大幅に改善されている。特に安いWindows機ではマイクの質があまりよくないケースが多く、自分の声が相手に伝わりにくいことが多い。もっともデスクトップ代替として安いWindows機を使っている場合には、持ち歩くわけではないのでUSBのヘッドセットを買えば、あまり問題となることはないだろう。

キーボード  良 

 まず、余計なキーが少ないのは良い点だろう。日本語キーボードだと、CtrlキーがAキーの左にある点もポイントが高い。筐体の薄型化に伴い、キーのストロークは非常に浅くなったが、すぐに慣れてしまった。ここもよく設計されているといえる。2016年モデルは、ペチペチという高いキータイプ音が耳ざわりだが、2017年モデルで改善されたようだ。

起動音  悪 

 起動音が消せない。これが喫茶店や静かな電車内などで鳴り響くと、いたたまれない気持ちになる。これを解消するツールはいろいろあるが、このくらいのことは標準でカスタマイズできるべきだろう。と思っていたら、2016年のMacBook Proから起動音が鳴らなくなったので、解決されてしまった。

その他のUI  悪 

 HDD(SSD)アクセスランプは欲しいと感じることが多い。例えば、アクセスランプがないと、処理が遅くなっているときにCPUがネックになっているのか、HDDにアクセスが集中しているのかが分からない。また液晶がノングレアでないのも、致命的ではないものの、外で使うときなど、照明の位置を変えられないときには不自由に感じることがある。

その他ハードウェア  良  悪 

 外部ディスプレイを接続したときに、外部ディスプレイ、あるいは本体側の液晶表示がチラついたり崩れたりすることがたまにある。これは接続する外部ディスプレイによって起きたり起きなかったりで、原因がよく分からない。

 また、部品がじかづけで自分でアップグレードできないしバッテリーも交換できない。その点は、昔のUnibodyモデルがよかった。とはいえ、Windows機でも最近は似たような状況である。軽量化、小型化の流れの中では仕方がないのだろう。

 ケンジントンロックが付けられないのも気になるところだ。とはいえ、この薄さではもう物理的に取り付けが無理な気がする。

 それから、ACアダプターは、なぜこんなに高いのだろうか。頻繁にACアダプターのコネクターを変更するのも困りものであるし、ケーブルの耐久性が低く2年くらいで被覆が破れてきてしまうのも困る。ただし2016年モデルからは、USB PD規格に対応したサードパーティ製品が使えるようになったため解決された。

 バッテリーの持ちは非常によい。使い始めたころは残量表示がおかしいのではないかと思ったほどだ。スリープも高速で安定しており、電源制御は全般に優秀である。ただしバッテリー充電制御ソフトウェア的なものがないため、ACアダプターをつなぎっぱなしにして電池の寿命を縮めてしまわないよう気を使う必要がある。

ソフトウェア

 次にソフトウェア面での特徴を見てみたい。

OS

 まずはOSから見てみよう。

日本語まわりの挙動  悪 

 IM(入力メソッド)回りの挙動が今ひとつ練れていないように感じる。筆者はAquaSKKを愛用しているが、特にこのような標準でないIMを使用している場合、不都合が起きることが多い。

 \を入力したつもりで、ASCIIコードの5cが入っていないことがある。こうした場合には、ファイルを16進ダンプしてみないと何が悪いのかさっぱり分からないので、Macを使い始めたばかりの人は戸惑うだろう。

 また、Unicodeでの濁点処理が他のプラットフォームと異なることには注意が必要だ。濁点、半濁点が付与された文字は、MacのファイルシステムではNFD(Normalization Form Canonical Decompression)として扱われるので、他のプラットフォームとの互換性がない。特にSCM(ソースコード管理ツール)で日本語ファイル名を使うと、他のプラットフォームの人とうまく連携できないことがある。

印刷機能によるPDF生成  良 

 デフォルトで印刷ダイアログにPDF出力があるので、プリンター出力を使ってPDFを生成できる。WindowsもWindows 10からは標準で可能になったようだ。

OSの更新  良  悪 

 OSの更新(パッチ)で再起動を要求されることが滅多にない(もっとも、これが普通だとは思うが)。ただし、新しいバージョンのOSが出ると、新しいバージョンに入れ替えるよう、かなり執拗(しつよう)に催促される。しかも特にデバイスドライバ系はOSのアップデートで動かなくなってしまうことが多く、安易に更新すると痛い目を見る。

 OS自体のバージョンアップが最近は無料なので、その点は良いとはいえ、互換性については頭が痛い。なおMacではまっさらの状態からネットワーク(Wi-Fiでも可)さえあればOSを再導入できる点は良い点といえる。Windowsのライセンス認証相当の儀式がないのもストレスがなくてよい。

アプリのアンインストール  良 

 [アプリケーション]フォルダーからゴミ箱に入れるだけで、アプリを簡単に削除できるのはMacの良い点だといえる。

不要な特殊記号入力  悪 

 Optionキー(Altキー)を押しながら英字キーを押すと、特殊記号が入力されてしまい、これらのキーバインドに機能を割り当てる際に障害となる。これもUkeleleなどのアプリを入れて設定し直すことで回避は可能だが、日本語版では、こういう特殊記号を使う機会はほとんどない。デフォルトで特殊記号入力無なしにしてほしいところだ。

Bluetoothテザリングが不安定  悪 

 Bluetoothテザリングがまともに動かないことが多い。ちゃんとMac対応と謳(うた)われているポケットルータでも、しばらく使っていると通信が極端に遅くなったり(いわゆる「パケ詰まり」と呼ばれる状況)、切断されたりすることが多い。

VNCが標準  良 

 画面共有をonにしておくだけで、Linuxなど別のクライアントからVNCで操作ができる。標準の機能なので面倒がなくてよい。

GUI(ウィンドウマネージャー)

 次にGUI回りについて見てみたい。

基本的にEmacsバインドが使える  良 

 GUIアプリで、Emacsバインドのキー操作が行える(なぜLinuxのウィンドウマネージャーは真似しないのだろうか)。筆者がWindowsを常用していたころは、XKeymacsというアプリにお世話になっていた。なおMacでも細かな部分の調整にKarabinerというアプリが重宝する。現在KarabinerはmacOS Sierraに対応できていない。このせいで、筆者はOSをアップグレードできていない。それほどに価値があると筆者は感じている。

 またキーボードの設定画面でキーボードショートカットが設定可能で、少なくともWindowsよりは標準の状態でキーバインドを自由に変更できる点は評価できる。

Windowsで困る点  良 

 Windowsのデスクトップ画面で不満なのは、AltTabキーによるウィンドウ切り替え時にウィンドウのZ順がおかしくなったり、タスクバーを自動で隠す設定にしておいても時折出たままになって戻らなくなってしまったりすることがあるといった点だ(通常は、全てのウィンドウを1つ1つ選択していくと直るのだが、それをやっても直らないことがあるし、そもそもこんなことをいちいちやるのにウンザリする)。これはWindows 9xのころからずっと直らない。古いアプリでは、リサイズできないダイアログが表示されることがあるのもつらい点だ。こうしたストレスは、Macではあまり感じることがない。

逆にMacで困る点  悪 

 アクティブウィンドウがどれなのか分かりにくく、あるウィンドウを閉じようとして、無関係のウィンドウを閉じてしまうことがある。また、Macではメニューバーが全体で1つで、前面に表示されているアプリのメニューが表示されるという仕様になっているが、これに関してはWindowsの(ウィンドウごとにメニューを持つスタイルの)方が便利に感じる。アプリのウィンドウを全て閉じても、アプリのみが残っているという状態になるのには、どうにも慣れることができない。

 また、スクリーンショット取得がShiftCommand3キーあるいはShiftCommand4キーに割り当てられているというのも、どうにも覚えられない(Touch Bar搭載機では、Touch Barから簡単にスクリーンショットが取得できるようになった)。

 Windowsアプリのショートカットキーに相当する機能がないのも、Macが不便に感じる点である。ウィンドウ最大化に相当する機能もなく、全画面表示になってしまうのもWindowsの方が便利に感じられる。全画面表示だと画面切り替えにアニメーションが入ってしまい、アプリの切り替えを軽快に行えないので、思考が中断してしまう(AltCommandキーを押しながら最大化アイコンをクリックという操作でウィンドウ最大化に似た動作を実現しているアプリもあるが、全てではない)。また、最小化するとキーボードでの復帰が面倒(単純にCommandTabキーを何度か押して最小化したアプリを選んでもウィンドウが再表示されないので、CtrlF3キーを押してからさらにカーソルキーで選んでやらないといけない)。メニューバー内のアイコンが増えてくると、単純に隠れてしまって見えなくなってしまう点についても一工夫ほしいところだ。

アプリ  良  悪 

 ターミナルで動作するような基本的なコマンド(lessperlcurlなど)が最初から入っている点は面倒がなくてよい。Windowsの一部の機種に見られるような、余計なアプリが入っていないのも良い点だろう(大金出して購入した新品のデスクトップに、ギラギラしたアイコンがばらまかれているのを見ると残念な気持でいっぱいになる)。

ターミナル  良 

 標準で入っているターミナルの出来が良いのも好感が持てる(とはいえ、大抵の人はiTerm2をインストールしているだろう)。Homebrewを使うことでさまざまなOSSを手軽に導入可能なのも、筆者にとっては使い勝手が良いと感じられる部分だ。

Finder  悪 

 Finderは動作が今ひとつ分かりにくい。Commandキーで1つ上のディレクトリに移動できるとか、ShiftCommandGキーで好きなディレクトリに飛べるといったキーバインドを知らないと、かなりの不便を感じるだろう。それから、項目を選択した状態でEnterキーを叩くとファイル名変更になってしまうのは、Windowsから移行してきた人が戸惑う点の筆頭だろう。

 またファイルをコピーしてから、宛先フォルダーを選択状態にしてペーストしても、そのフォルダーの中にコピーされるわけではない。あくまで現在Finderで開いている場所にペーストされるという点も慣れるまでは戸惑うだろう。

メールアプリ  良 

 筆者は、デフォルトで入っているアプリをほとんど使用していないのだが、メールアプリだけは、最近になって使い始めた。筆者はGmailのアカウントを2つ切り替えて使っているのだが、これをGoogle Chromeで開くと1アカウント当たり1GBくらいのメモリを持っていかれてしまう。Macのメールアプリは、Gmailのアカウントを登録しておけば、そのままGmailも利用可能で、これにより大幅に使用メモリを削減できることが分かった。

最後に

 筆者はノートPCに関しては、Windows→Linux→Macの順に乗り換えてきた。デスクトップPCに関しては、SI系の仕事だとWindows 7 PCを、クラウド系の仕事ではMacBook Proを使うことが多く、家庭ではLinuxをインストールしたデスクトップPCを使っている。

 個人的な意見では、開発機として考えた場合、率直に言ってLinuxが一番使いやすいと思う(デスクトップのカスタマイズが柔軟にでき、DockerなどOSSとの親和性が高い)。ただしLinuxではMicrosoft Officeが動かないため、企業向けの仕事ではLinuxのみで全てをまかなうのは難しい(Office Onlineが着実に進化しつつあるが、まだこれだけで作業するのは難しい)。このため、現時点ではMacBookを持ち歩きつつ、適宜sshで家のマシンにつないで作業するのが最適解になっている。このような状況なので、ツール類は、なるべくこの3プラットフォームで動作するものを選択しており、Macに初期導入されているアプリをほとんど使用していないのも、それが原因である。

 新しいMacBook Proには落胆の声も聞かれるようだ。筆者もあれで搭載メモリが32GBのモデルがあったら正気を保てた自信がない。一方、Windowsはといえば最近はCPUのパフォーマンスが低いモデルばかりなのが不満だ。確かに一般ユーザーやOfficeさえ動けばOKのユーザーにとっては、高スペックのCPUが不要なのは理解できるが、エンジニアにとっては、ここが生命線なのだ。PCもMacも高スペックノートPCの分野で切磋琢磨していってほしい。

 マイクロソフトが、Windows 95で成功を収めたころ、その成功要因の1つとして「水平分業」がささやかれた。ところが面白いことに、今は完全に逆転現象が起きている。Androidを出したグーグルが自社のブランドでGoogle Pixelを販売し、マイクロソフトでさえ今はSurfaceを販売している。垂直統合は悪ではなかったのか。

 製品の成熟度が上がるにつれて、要求される品質や機能性(薄さや軽さ電池寿命、見栄えなど)が高まる。そうした状況下では、全てを制御可能な垂直統合の方が有利に戦えるのではないか。筆者はこのように考えているが読者の皆さんはいかがだろうか?

 最後になったがサポートに関しても触れておきたい。筆者はDellのディスプレイを使っているのだが、保証期間であれば、何かあると、しのごの言わずに新しい機器を送付してくれる。こういうドライなサポートも好感が持てるが、Appleが提供するGenius Barのように、その場で担当者が症状を聞いて障害部位の推定をしてくれるというのも、まさに「サポート」を受けている感じがして気持ちがよい。きっちり人件費をかけつつ、しかも決められた予約時間の中であのようなサービスを提供するのは、現場では相当大変なことだろう。Appleにはぜひこの仕組みを今後も続けていってほしい。

花井 志生(はない しせい)

花井 志生(はない しせい)

 

入社当時はC/C++を用いた組み込み機器(POS)用のアプリケーション開発に携わる。

10年ほどでサーバーサイドに移り、主にJavaを使用したWebアプリケーション開発に軸足を移す。

2015年夏からクラウドを用いたソリューションのテクニカル・コンサル、PoCを生業としている。

主な著書にJava、Ruby、C言語を用いたものがある。

 

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