Xamarin逆引きTips
Xamarin Studio/Visual Studioで「Ricty Diminished」プログラミング用フォントを使うには?
「Ricty Diminished」や「Source Code Pro」などのプログラミング用フォントを、Xamarin Studio/Visual Studioのコードエディターのフォントとして設定する方法。
プログラミング時のIDE(統合開発環境)やエディターでは、どんなフォントを使っているだろうか? 標準のまま使っている人も多いと思うが、中にはこだわってフォントを設定している人も少なくないだろう。特に好まれやすいフォントは、例えば「0(ゼロ)」なのか「O(オー)」なのかなど、紛らわしい文字が見分けやすいフォントだ。そのようなフォントで人気があるのは、「Inconsolata」や「Source Code Pro」、「Ricty」あたりだろう。
そのRictyが「Ricty Diminished」(リクティ・ディミニッシュト)という名前でより使いやすい形*1で公開されている。本Tipsでは、このRicty DiminishedをXamarin StudioやVisual Studioで使う方法を紹介する。
- *1 以前のRictyでは、内蔵されているIPA日本語フォント(Migu 1M)のライセンス問題で、自分でスクリプトを実行してフォントを合成する必要があった。つまり、「Ricty」というフォントをそのままダウンロードすることはできなかった。
プログラミング用フォント「Ricty Diminished」
Ricty Diminishedは、無料で配布されているプログラミング用のTrueTypeフォントである(※ライセンスについては、GitHub上の公式ページを確認されたい。なお、フォントの再配布はできない)。Ricty Diminishedは、特に「Linux環境での研究・開発に適した」もので、「EmacsやVimを用いたC、C++、FORTRAN、Python、Perl、Ruby、AWK、sed、シェルスクリプト、LaTeXなどのコーディングにおける使用を想定している」と、提供元で説明されている。
また、Ricty Diminishedの派生フォントとして「Ricty Diminished Discord」も同梱されている。これは、Ricty Diminishedの調和・統一感を乱す覚悟(=Discord: 不協和音)でASCII文字に手を入れているフォントとのことだ。
Ricty Diminishedフォントのインストール
まずは、次のリンク先からフォントをダウンロードしよう。リンク先の右にある[Download ZIP]ボタンをクリックすればよい。
ダウンロードした「RictyDiminished-master.zip」ファイルを解凍・展開して、フォントをOSにインストールしよう(※インストール方法の1つは、Fontフォルダーに入れることである。参考:Windowsでの方法/Macでの方法)。
- ※IDEを起動していた場合、フォントインストール後に、そのIDEを再起動しないと、フォント一覧に上がってこない場合があるので注意してほしい。
Xamarin Studioで「Ricty Diminished」を使う
Xamarin Studioでは、メニューバーの[Xamarin Studio]-[Preferences]/[ツール]-[Options]を選択し、表示される[設定]/[オプション]ダイアログの左側のツリーで[Environment]-[Fonts]を選択し、右側の領域の[テキストエディタ]欄で「Ricty Diminished」フォント(+本稿では「Regular」スタイルの「13」pt)を選択する(図2)。
ちなみにXamarin Studioの標準フォント(=変更前の値)は、Macは「Menlo」の12pt、Windowsは「Consolas」の10ptになっているようだ。
Macで設定した結果、図3のようになった(左:設定前、右:設定後)。
※残念ながら、Ricty DiminishedとWindows版のXamarin Studioの相性はあまりよくないようで、少しフォントの一部が欠けているものが見られる(図4)。
Visual Studioで「Ricty Diminished」を使う
Visual Studioでは、メニューバーの[ツール]-[オプション]を選択し、表示される[オプション]ダイアログの左側のツリーで[環境]-[フォントおよび色]を選択し、右側の領域の[フォント]欄で「Ricty Diminished」(+本稿では[サイズ]欄で「10」pt)を選択する(図5)。
ちなみにVisual Studioの標準フォント(=変更前の値)は「MS ゴシック」の10ptになっているようだ。
設定した結果、図6のようになった(左:設定前、右:設定後)。
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使うフォントは、人によって好みが大きく異なるので、「どれがお勧め」というのは言いにくいが、ぜひ「Ricty Diminished」も試しに設定して使ってみてほしい。
この他、「Adobe Fonts - Source Code Pro」も「かなりいい」という話は聞いている。これも本稿と同じ手順で設定可能だ。
※以下では、本稿の前後を合わせて5回分(第31回~第35回)のみ表示しています。
連載の全タイトルを参照するには、[この記事の連載 INDEX]を参照してください。
31. Xamarin.AndroidでApplicationクラスを拡張するには?
Applicationクラスを拡張すると、アプリケーションイベントの発生時に独自の処理を実行したり、アプリケーションオブジェクトに機能を追加したりできる。その基本的な実装方法を解説する。
32. Xamarin.iOSでZipファイルを使用するには?(ZipFileクラス編)
iOSアプリ開発標準のZipArchiveライブラリではなく、.NET標準のZipFileクラス編を使って、ZIPファイルの圧縮・展開を行う方法を解説する。
33. 【現在、表示中】≫ Xamarin Studio/Visual Studioで「Ricty Diminished」プログラミング用フォントを使うには?
「Ricty Diminished」や「Source Code Pro」などのプログラミング用フォントを、Xamarin Studio/Visual Studioのコードエディターのフォントとして設定する方法。
34. Xamarin.FormsでBoxViewコントロールを拡張するには?
四角形を描画するBoxViewコントロールを拡張してネイティブ側で描画することで、角丸・枠線・影付きなどを実現する方法を説明する。
35. Xamarin.Formsでタッチイベントを処理するには?(iOS/Androidの各種ジェスチャー対応)
iOS/Androidにおけるタップやスワイプなどの各種ジェスチャーを、Xamarin.Formsで処理する方法を解説する。