新型Kinect for Windows v2 Developer Previewプログラミング入門(4)
世界最速・最新情報、March SDK Update(Kinect for Windows v2 Developer Preview)の内容に迫る!
本日、SDKの3月更新版が提供された。その更新点として「Kinectファームウェアの更新」「Kinect Serviceの変更は特になし」「Kinect Studioの提供」について紹介。
前回までは「Kinect for Windows SDK v2 Developer Preview(以下、KinectSDK2プレビュー版)」で説明してきたが、日本時間の2014年3月27日午前1時にMarch SDK Update(=SDKの3月更新版)が提供され、いくつかの変更点があるので報告したい。
注意事項
本稿で検証に使用したKinect for Windows v2 Developer Previewのソフトウェアやハードウェア、APIは暫定的なものであり、正式版では変更される可能性がある。
また、本稿は早期提供プログラムの参加規約で公表が許可されている事項について実際に確認した結果に基づき記載していることもあらかじめご了承いただきたい。
Kinectファームウェアの更新
KinectSDK2プレビュー版を動かすために必要なファームウェアのバージョンが「1.1.3318.0.7」から「1.1.3326.0.7」に更新された。そのため、「C:\Program Files\Microsoft SDKs\Kinect\v2.0-DevPreview1403\Tools」フォルダーにある「KinectFirmwareUpdate.exe」でファームウェアの更新が必要だ。次の画面は実際に行っているところ。
Kinect Serviceの変更は特になし
KinectSDK2プレビュー版では、アプリはServiceを介してKinect2プレビュー版と接続する。この方式にすることで、KinectSDK2プレビュー版では複数のアプリから同時にKinectが利用できる。しかし、「Service」とは名ばかりで、実際には手動起動のEXEファイルだ。今回、Windows Service化を期待していたが、今回のSDK更新リリースには間に合わなかったようだ。
Kinect Studioの提供
Kinect for Windows SDK v1(以下、KinectSDK1)では、v1.6から「Kinect Studio」というツールが付属している。Kinect Studioは、KinectセンサーとKinectアプリの間に割り込んで、アプリがKinectから取得しているデータを保存し、それを再生することで、何度でも同じデータをアプリに流し込める大変便利なツールだ。
March SDK UpdateからはKinectSDK2プレビュー版にもKinect2プレビュー版対応のKinect Studioが添付された(次の画面)。
Kinect Studioもまだプレビュー版ということもあり、起動方法が少し込み入っている。具体的には以下の手順で行う必要がある。
1データ出力用フォルダーを作成(例:「c:\clips」)
2KinectService.exeファイルを実行して、Kinect Serviceを起動(「C:\Windows\System32」配下なのでコマンドプロンプトでパスを気にせず起動可能)
3「"C:\Program Files\Microsoft SDKs\Kinect\v2.0-DevPreview1403\Tools\KinectStudio」フォルダーに移動
4コマンドプロンプトで「KStudio.exe" /d c:\clips」と入力してKinect Studioを起動
5コマンドプロンプトで「KStudioHostService,exe」と入力してKinect Studio Host Serviceを起動
まとめ
Kinect Studioが提供されたことにより、テスト撮影をして取り込んだデータを何度でも再生してデバッグを行えるようになった。この恩恵は極めて大きいといえるだろう。
なお、次のUpdateは、4月(たぶん、4月2日~4日に開催のマイクロソフト開発者カンファレンス「Build 2014」の後)に予定されている。今度はどのような機能が追加されてくるのか、また楽しみである。
※以下では、本稿の前後を合わせて5回分(第1回~第5回)のみ表示しています。
連載の全タイトルを参照するには、[この記事の連載 INDEX]を参照してください。
1. 日本最速レビュー。開発者目線で調査する「Kinect for Windows v2」限定開発者プレビュー版
2014年に一般発売が予定されている新型Kinectを早くも先行レビュー。ハードウェアスペックや、新しくなったソフトウェア構成、センサー類の進化について紹介する。
2. Kinectプログラマー向け速報第2弾。SDKの相違点から新型Kinectの実力を探る
Kinect for Windows v2 Developer Preview向けのSDKは、以前のv1とどこが異なるのか? その主要な差異を示しながら、v2での基本的なプログラミング方法を紹介する。
3. 新型Kinectの骨格データに関する新機能とは?
KinectSDK2プレビュー版の距離データと骨格データに関する主要な変更点を解説。手の開閉が判定できるようになり、グー、チョキ、パーも判別可能に。
4. 【現在、表示中】≫ 世界最速・最新情報、March SDK Update(Kinect for Windows v2 Developer Preview)の内容に迫る!
本日、SDKの3月更新版が提供された。その更新点として「Kinectファームウェアの更新」「Kinect Serviceの変更は特になし」「Kinect Studioの提供」について紹介。
5. Windowsストアアプリ対応に、Unityサポートも ― 最新April SDK Update(Kinect for Windows v2 Developer Preview)の新機能
4月30日に提供が開始された「April SDK Update」の内容を解説。Windowsストアアプリ対応/Unityサポート/サービス・スピンダウン機能/Audio APIなどの新機能を紹介する。