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連載:Azureモバイルサービスで作る簡単スマートフォンアプリ

連載:Azureモバイルサービスで作る簡単スマートフォンアプリ

iOSアプリを5分で作ろう! Azureモバイルサービスで簡単開発

2013年7月30日

Azureモバイル・サービス(BaaS)を使用してiOSやAndroidなどのアプリを作成していくことで、その魅力を紹介する連載がスタート。今回はToDoリストを管理するiOSアプリのサンプルを作成して動かしてみる。

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 Microsoft Azure(旧称:Windows Azure)モバイル・サービスは、その名のとおりモバイル・アプリ開発のためのサービスで、Winodws、Android、iOS、およびHTML用のSDKが用意されており、クロスプラットフォームの開発を容易に行うことが可能だ。

 本連載ではAzureモバイル・サービスを使用してiOSやAndroidなどのアプリを作成していくことで、その魅力をご紹介したい。

Azureモバイル・サービスの特徴

 Azureモバイル・サービスは2012年8月28日に開始された、比較的新しいサービスである。先日の開発者向けカンファレンス「Build 2013」にてGA(General Availability: 一般提供開始)となりプレビュー版から正式版となった*1

  • *1 スケジューラーやアラート機能などの一部の機能は除く。

 主な特徴を以下に列挙する。

  • クロスプラットフォームSDK
  • クラウド(Azure)上に簡単にデータを保存できる
  • 容易なユーザー認証
  • 容易なプッシュ通知
  • スケジューラー
  • サード・パーティのリソースが使用可能
  • カスタムAPI
  • Gitによるソース管理
  • 監視とアラート機能

 このように多数の機能を取りそろえている。各機能の詳細については徐々に触れていくのでご期待いただきたい。

急速に注目されるBaaS(Backend as a Service)

 Azureモバイル・サービスのような、モバイル・アプリのバックエンドとして動作するサービスを「BaaS(Backend as a Service)」と呼ぶ(また、モバイル向け以外のBaaSと区別して「MBaaS」と呼ばれることもある)。

 BaaSは、Azureモバイル・サービスのほかにも、ParsepushwooshCORE PUSHなどがある。

iOS向けToDoアプリを5分で作ろう

 さて、前置きはこのくらいにして実際にAzureモバイル・サービス(以降、モバイル・サービス)を使ってみよう。

 前準備としてAzureのアカウントをお持ちでなければ、無料評価版のアカウントを取得いただきたい。また、Xcode 4.4以上をインストールしていただきたい(当然ながら、本稿のアプリ開発にはMacが必要だ)。

Azureポータルにてサービスの作成

 Azureポータルにアクセスし、以下の手順でモバイル・サービスを作成する。

[URL]は筆者と異なる、世界で一意の文字列を入力する必要がある。また、[地域]は日本から最も近い「East Asia」(東アジア)を選択するとレイテンシーが少ないのでお勧めする

モバイル・サービスの作成画面

数十秒で「準備中」から「準備完了」と表示が変わることを確認する。

【コラム】Azureポータルの日本語化

  Azureポータルが英語の場合、以下のように2回クリックすることで日本語化が可能だ。

Azureポータルの日本語化をするところ
Azureポータルの日本語化をするところ

地球儀のようなアイコンをクリック後、「日本語」を選択する。

ダッシュボードでテーブルを作成する

 モバイル・サービスの作成が完了したので、次にテーブルを作成しよう。

テーブルの作成画面

「TodoItem テーブルが作成されました。」と表示されることを確認する。

ダッシュボードからiOS版スタート・プロジェクトのダウンロード

 [ダウンロード]ボタンのリンク先からiOS版スタート・プロジェクトをダウンロードして保存しよう。

ダウンロード画面

[ダウンロード]ボタンをクリックして保存する。

 ここからはXcodeの出番だ。

iOSアプリを実行する

 ダウンロードしたzipファイルをFinderにて任意の場所に解凍して(次の画面はその例)、<サービス名>.Xcodeprojをダブルクリックする。

Finderの実行画面
Finderの実行画面

 Xcodeを起動後に、そのままアプリを実行すると、iPhoneシミュレーターが立ち上がり、次の画面のようなToDoアプリが表示されるはずだ。

XcodeはRunをクリックするだけだ

iPhoneシミュレーターの実行画面
iPhoneシミュレーターの実行画面

 以下の手順でToDoアプリにタスクを登録してみよう。

ToDoアプリにタスクを登録するところ
ToDoアプリにタスクを登録するところ

 登録したデータがクラウドに保存されていることを、Azureポータルにて確認できるはずだ。

Azureポータルにてデータを確認する

 最後に、登録したデータを「完了」にして、Azureポータルにてデータを確認してみよう。

左右にスワイプして[complete]ボタンを表示後、クリック

左右にスワイプして[complete]ボタンを表示後、クリック

上記操作後のAzureポータル

Azureポータルにて、[complete]の列が「true」になっていることが確認できる。

 全くコードを編集することなく、クラウドと連携したiOSアプリが作れてしまうことを体感していただけたと思う。

次回予告

 今回作成したアプリを基に認証やプッシュ通知などの機能を追加していくので、ぜひ楽しみにしていただきたい。

連載:Azureモバイルサービスで作る簡単スマートフォンアプリ
1. 【現在、表示中】≫ iOSアプリを5分で作ろう! Azureモバイルサービスで簡単開発

Azureモバイル・サービス(BaaS)を使用してiOSやAndroidなどのアプリを作成していくことで、その魅力を紹介する連載がスタート。今回はToDoリストを管理するiOSアプリのサンプルを作成して動かしてみる。

連載:Azureモバイルサービスで作る簡単スマートフォンアプリ
2. 認証機能とプッシュ通知をしよう!

iOSのサンプルでAzureモバイル・サービス(BaaS)の機能を紹介。Twitter、Facebook、Google、Microsoftなどの認証プロバイダーを使用した認証機能とプッシュ通知の実装方法を説明する。

連載:Azureモバイルサービスで作る簡単スマートフォンアプリ
3. モバイルサービス開発でコマンドラインを活用しよう!(Win/Mac/Linux対応)

Azure管理用のコマンドライン・インターフェース(CLI)を活用して、モバイル・サービス開発を効率化しよう。その活用方法を解説。

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4. モバイル・サービスを活用するAndroidアプリを作ってみよう

Azureモバイル・サービスを使用してAndroidのアプリを作成する方法を説明。また、CLIを実際の開発で活用する。

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