新型Kinect for Windows v2 Public Previewプログラミング入門(7)
日本最速レビュー。開発者目線で調査する「Kinect for Windows v2」パブリックプレビュー版
ついに日本でも購入可能になったKinect for Windows v2センサー(オープンベータ版)と、そのSDK(公開プレビュー版)をレビュー。ハードウェアスペックや、センサーの特徴について紹介する。
日本以外の国でKinect for Windows v2(以下、Kinect2)のプレオーダーが始まり、日本ではいつ予約できるのかやきもきしていたところ、日本時間2014年7月15日からプレオーダーではなくのオンライン販売が始まった。
そして、ついにシアトル現地時間2014年7月15日、日本時間2014年7月16日に「Kinect for Windows SDK v2 Public Preview(以下、KinectSDK2公開プレビュー版)」が公開されたので、その内容を報告する。
注意事項
本稿で検証に使用したKinect for Windows v2 Public Previewのソフトウェアやハードウェア、APIは暫定的なものであり、正式版では変更される可能性がある点をあらかじめご了承いただきたい。
システム要件
Kinect2公開プレビュー版のシステム要件は、以下の通りである。特にWindows 8やUSB 3.0が必須であることに、ご注意願いたい。
項目 | スペック |
---|---|
OS | Windows 8/Windows 8.1(含むEmbedded) |
CPU | 物理デュアルコア3.1GHz以上の64bitプロセッサ |
メモリ | 2GBytes(筆者の経験上、4GBytes以上を推奨) |
GPU | DirectX 11対応GPU(例: Intel HD4000、NVidia GeForce 610m、AMD HD6470Mなど) |
USB | 内蔵USB 3.0ホストコントローラー(IntelまたはRenesas chipset) USB 3.0増設アダプターを使用する場合は、Gen-2対応であること |
開発環境 | Visual Studio 2012、Visual Studio 2013(Expressも可)、Unity Pro 4 |
システム構成
ハードウェア構成
Kinect2公開プレビュー版のハードウェア構成は、開発者プレビュー(Developer Preview)版と同様に、新型Kinectデバイスと、電源、そして「電源とUSB 3.0」の分離ボックスから構成されている(図1.1)。
電源ユニットもXbox Oneとは別の専用品になり、分離ボックスもかなり小型化された(図1.2)。
ソフトウェア構成
ソフトウェア構成は、Kinect2開発者プレビュー版の最終バージョンから大きな差異はない。
センサーの特徴
Kinect2開発者プレビュー版から大きな変更はないが、あらためてKinect2公開プレビュー版のセンサーについて特徴をまとめてみた。
v1 | v2公開プレビュー版 | |
---|---|---|
カラー解像度 | 640×480 | 1920×1080 |
深度データ解像度 | 320×240 | 512×424 |
深度センサー方式 | Light Coding | Time of Flight |
深度センサー 測定可能距離 |
0.8~4.0m(通常) 0.5~3.5m(近接) |
0.5~4.5m(モード切り替えなし) |
深度センサー視野角度 (垂直/水平) |
57度/43度 | 70度/60度 |
スケルトントラッキング | 2人 | 6人 |
関節データ数 | 20カ所 | 25カ所 |
複数アプリの同時使用 | × | ○ |
手のひらの開閉 | △Developer Toolkit | ○ |
添付サンプル
KinectSDK2公開プレビュー版には、以下のサンプルが付属している。
サンプル | Native | Managed | WinRT | 備考 |
---|---|---|---|---|
Audio | ◯ | ◯ | - | マイクアレイによる音声方向表示サンプル |
Body | ◯ | ◯ | ◯ | 骨格データ表示サンプル |
Color | ◯ | ◯ | ◯ | カラーデータ表示サンプル |
Controls | - | ◯ | ◯ | アプリにKinectインターフェースを追加するサンプル |
Coordinate |
◯ | ◯ | ◯ | 背景差し替えサンプル |
Depth | ◯ | ◯ | ◯ | 深度データ表示サンプル |
Infrared | ◯ | ◯ | ◯ | 赤外線データ表示サンプル |
Speech | ◯ | ◯ | - | 音声認識サンプル |
まとめ
いよいよ誰もがKinect2センサーを購入し、そしてSDKを使ってKinect2アプリ開発ができる準備が整った。現行のKinect v1での不満点や力不足な部分がどのように改善されたか、実際にセンサーを手に入れて確認し、新しいアイデアへとつなげていってほしい。
※以下では、本稿の前後を合わせて5回分(第3回~第7回)のみ表示しています。
連載の全タイトルを参照するには、[この記事の連載 INDEX]を参照してください。
3. 新型Kinectの骨格データに関する新機能とは?
KinectSDK2プレビュー版の距離データと骨格データに関する主要な変更点を解説。手の開閉が判定できるようになり、グー、チョキ、パーも判別可能に。
4. 世界最速・最新情報、March SDK Update(Kinect for Windows v2 Developer Preview)の内容に迫る!
本日、SDKの3月更新版が提供された。その更新点として「Kinectファームウェアの更新」「Kinect Serviceの変更は特になし」「Kinect Studioの提供」について紹介。
5. Windowsストアアプリ対応に、Unityサポートも ― 最新April SDK Update(Kinect for Windows v2 Developer Preview)の新機能
4月30日に提供が開始された「April SDK Update」の内容を解説。Windowsストアアプリ対応/Unityサポート/サービス・スピンダウン機能/Audio APIなどの新機能を紹介する。
6. Kinect.Xaml.ControlsでストアアプリからKinectを操作する
6月24日に提供開始されたJune SDK Updateの新機能(April SDK Updateからの変更点)を紹介。Windowsストアアプリ用インタラクションコントロールなどが追加された。